
通知欄
10/14 ブログ「数値は高ければよいというものではない」
10/10 お知らせ「アルキルナフタレンの40番の原材料が残りわずか」
10/9 問い合わせ方法をシステムチャットからLINEに移行しました。
9/21 最終ラインナップ、ギア用オイルVerior GRを追加。
9/18 Verior 2.5を分離、18L販売のみの業者向け「Verior 業」として独立。

添加剤単品販売
グループVを中心に、Veriorオイルの性能を支える添加剤の単品販売。
いずれも文句の付けようのない高性能品ばかりです。独自のオイル強化にどうぞ!
.jpg)
ガソリン車用 エンジンオイル
優れたエンジンオイルをベースに、高性能な添加剤を各種配合してさらに強化。
潤滑性の高さはもちろんのこと、耐久性を重視した高耐久オイルです。
.jpg)
Verior 業は業者向けの18Lパッケージのみ。
従来の業務用オイルよりもはるかに高性能でコスパの高い商品です。
.jpg)
ディーゼル車用 エンジンオイル
高級ディーゼルオイルをベースに、高性能な添加剤を各種配合してさらに強化。
ディーゼルエンジンに求められる性能をクリアしつつ、DPFの寿命も考慮した高耐久オイルです。
.jpg)
旧車用 エンジンオイル
GTL+鉱物油の半合成をベースに、耐摩耗性能と圧縮性能を強化。旧車特有のシールゴムへの適合性も配慮した、強くて優しいスペシャルモデルです。
.jpg)
バイク用 エンジンオイル
水冷,空冷用にそれぞれラインナップ。
期待を裏切らないフィーリングと耐久性。
レース用 エンジンオイル
ベースオイルはエステルとアルキルナフタレンのみ。
レース専用に一から製作。
.jpg)
.jpg)
ギアオイル
マニュアルトランスミッション用ギアオイルと
ディファレンシャル用ギアオイル。
.jpg)
よくある質問(FAQ)
ここから先は勉強エリアです。
ら先は勉強エリアです。ここか

Veriorの構成と成分
Verior(ヴェリオール)は、高性能エンジンオイルをベースとし、そこに独自に処方した各種添加剤を加えたパッケージで構成されています。

ベースエンジンオイル
メイン商品となるガソリン車用オイルのベースとなるエンジンオイルは、あるメーカーのフラッグシップモデルを採用しています。
VHVI(グループIII)の中でもトップクラスの性能を持つYUBASE®プラスとPAO(グループIV)のベースオイルで構成され、API規格,ACEA規格および各欧州自動車メーカーのアプルーバル認証をクリアしたものとなっているところからその性能の高さが覗えます。
性能強化添加剤
Veriorには独自に処方した添加材を加えており、その一覧が下表です。
中身を見ての通り、清浄・分散・防錆・耐酸化・摩耗低減・極圧性...と、バランスを整えて全方位にわたって万遍なく性能を強化しており、優れたアップトリート効果を発揮します。
(製品名をクリックするとメーカーの資料ページに飛びます。)

要求性能に対するVeriorのアプローチ
00 ベースオイル
◆ VHVI & PAO & AN & ESTER
Veriorに採用しているベースオイルにはVHVI(グループIII)より上の物しか使われていません。
《グループIII》
Veriorに使われるVHVIはYUBASE+(ユーベースプラス)という粘度指数の高いVHVIを採用しています。(VI=130以上)
※Verior 2.5、5、MCではShellのGTL(Gas to Liquid)ベースを採用。
《グループIV》
ポリアルファオレフィン(PAO)も30%以上40%未満で含まれています。
PAOは言わずとしれた高性能ベースオイルで、温度変化に強く、特に低温流動性に非常に優れます。
《グループV》
一般的にはエステルとアルキルナフタレンが該当し、Veriorではその両方を油性向上剤として添加しています。
基本的にグループVは高価なために一般には数%程度しか添加されませんが、Veriorではモデルによって10%を超える量を贅沢に配合することで、非常に高性能なエンジンオイルを実現しています。
コラム:旧車と化学合成油におけるシール問題

↑昔1957年式 空冷VWビートルに乗っていました。
- - - - - -
よく、「旧車には鉱物油でないと相性が悪い」という意見が一部見受けられますが、シール対策の問題とベースオイルの問題は一緒にするべきではありません。
昔はカウンターシールという言葉も概念もなかったため、PAOをふんだんに使用したオイルを旧車に入れるとてきめんにシールを収縮させてオイル滲みが発生しました。
今ではPAOに加えて逆に膨張性のあるエステルを添加してカウンターシール性能を整えたりすれば現象も起きなくなってきました。
VeriorにもPAOが含まれておりますが、添加剤にアルキルナフタレンやひまし油エステルを加えてカウンターシール性能を持たせましたので、空冷エンジンや旧車にも安心して使えるように考慮しております。

01 油 性向上剤
◆ アルキルナフタレン
グループVに属するベースオイルのひとつで、油性向上剤として使用されます。
同じグループVでよく使われるエステルがありますが、アルキルナフタレンもほぼこれと同様の特性があります。
●極性
金属表面に付着することでエンジンのドライスタートを防止してくれます。
●酸化安定性
アルキルナフタレンはエステルよりもさらに酸化安定性が高く、高温下においても安定した潤滑性を維持します。(図1)
●加水分解耐性
エステルと違い加水分解に対して強く、ハイブリッド車等の油温の上がりづらい環境であっても水分混入による劣化に強い特性があります。
●分子結合
二重結合による非常に強固な分子構造を持つため、物理的な破壊に強く、長期間劣化しません。(図1-2)
●低温流動性
流動点は約-35℃と、冬場でも確実に油膜を保持します。
×粘度指数
柔らかいもので 90、もう少し高くても110程度と粘度指数はあまり高くなく、温度による粘度変化が大きめです。
×コスト
非常に、とても...とにかくめちゃくちゃ高価です。
VeriorではアメリカのKingIndustries社のKRシリーズを採用しており、商品の粘度に合わせて柔らかい物と程々の物、2種類をブレンドしています。
図1 アルキルナフタレンの耐酸化性能

左はポリオールエステルに漬けて260℃に加熱したもの。
縦にぶら下げても金属が固着して動きません。酸化して潤滑性が失われたからです。
一方、右はエステルにアルキルナフタレンを20%添加して同様に試験したもの。
加熱後も潤滑性を失わずわずか2秒でチェーンが自重で伸び切っています。
図1-2 ナフタレンの分子構造

二重結合による非常に強固な分子構造を持つナフタレン

◆ ひまし油エステル
エステルも代表的なグループVに属するベースオイルのひとつで、油性向上剤として使用されます。
エステルは植物油から精製されて作られます。かの有名なMOTULではヤシ油エステルを採用しておりますが、Veriorの採用するMINERASOLはひまし油から作られています。
ひまし油(Castor-oil)といえばカストロールの社名にもなった逸話で有名ですが、もともと潤滑性の高いオイルとしてレースシーンで使用されてきた歴史があります。
ただし植物油としてのひまし油のままでは油性が悪い(固すぎる)ため、それをエステル結合させて油性向上剤として最適化したものがVeriorの採用する伊藤製油㈱のMINERASOLという商品です。
採用する特殊縮合脂肪酸エステル MINERASOL LB-70*シリーズは耐熱性に優れるよう組成されており、また分子鎖が長いことで仮に分子が途中で切れても残った分が機能性を保つため、性能が長持ちする(加水分解に強い)特性を持っています。
Veriorでは柔らかいタイプと固いタイプの2種類をブレンドして添加しており、いずれも粘度指数170以上もある油性向上効果の高い製品です。
図1-3 特殊縮合脂肪酸ひまし油エステル
MINERASOL LBシリーズ

Veriorでは伊藤製油㈱のひまし油を原料とした、特殊縮合ヒドロキシ脂肪酸エステル 「MINERASOL」を採用しています。
ラインナップのうち、Veriorに使われているLBシリーズの700番台は、粘度指数,耐熱性,耐加水分解性に対して特に優れた特長を持っており、各添加剤との相溶性にも優れています。
MINERASOLのメーカー資料はこちら。

02 摩擦低減剤&極圧剤
◆ 二硫化タングステン WS2
このジャンルの添加剤でよく使われるのがモリブデンですが、私はモリブデンは使いません。
その代わりに、上位互換とも言えるタングステンを採用しています。
その理由は、以下の比較の通りです。
《酸化温度の比較》
二硫化モリブデン(MoS2):350℃
二硫化タングステン(WS2):450℃
>酸化が始まると機能を失い、潤滑性能が無くなります。また、酸化した後はスラッジと化し、オイルの流動性を邪魔します。
《摩擦係数の比較》(図2-1)
二硫化モリブデン(MoS2): 約0.02〜0.11
二硫化タングステン(WS2): 約0.03〜0.071
>摩擦係数はほぼ同等ですが、タングステンのほうがブレ幅が少ないのが分かります。
《極圧性能の比較》
二硫化モリブデン(MoS2):約250,000 psi(約1,724 MPa)
二硫化タングステン(WS2):約300,000 psi(約2,068 MPa)
>極圧性能は二硫化タングステンの方が大幅に優れています。
《分散性と定着性の比較》
数値として示せるデータはありませんが、一般論としては、
二硫化モリブデン(MoS2):分散性や定着性が劣るため、分散剤や他の添加剤と混合する工夫が必要です。
二硫化タングステン(WS2):潤滑油への分散性が良く、金属表面への定着性も優れています。
以上の様に、様々な面でタングステンはモリブデンより優位性が明白なのです。
次に、二硫化タングステン(二硫化モリブデンも)は、熱の影響や圧力の影響を受けると”トライボフィルム”と呼ばれる保護被膜を金属面に生成します。(図2-2)
これができることで摩擦からの保護効果はもちろん、ピストンリング部分においては密閉性を上げてくれる効果も生まれます。
ここが一番のポイントで、エンジンオイルを劣化させる大きな要因である『ブローバイガス』の侵入を抑制してくれることで、燃焼生成物などの汚染物質からオイルを守ってくれます。
- - - - - - - - - - - - -
Veriorが採用している二硫化タングステンは日本潤滑剤販売㈱のタンミックAという商品です。
この商品は粒子が安定してばらつきが小さく(平均粒度:1.01μm)、また結晶度が高いためオイルフィルターへの詰まりは心配ありません。(一般にフィルターの目の粗さは20μm程度)
図2-1 二硫化モリブデンと二硫化タングステンの性能比較
.png)
参照:日本潤滑剤販売㈱ ホームページより
グレーの線が二硫化モリブデン。圧力を加え続けると、ある一点で限界を超え摩擦が跳ね上がります。
一方で二硫化タングステンはその1.6倍の圧力を加えてもまだ摩擦係数が下がり続けています。
図2-2 二硫化タングステンによるトライボフィルム(保護被膜)の生成

幾重にも渡る層状の膜。この膜が金属面を守る。
なおトライボフィルムの生成には熱か圧力の外力が必要なため、添加後約100~300kmの走行が必要です。初めての添加時は遅効性で効き始めます。

03 酸化防止剤
◆ 無灰型酸化防止剤(非ZnDTP)
酸化防止性能はVeriorにとって最も肝入りの部分です。なぜならオイルの寿命を決定づける一番大事な要素だからです。
オイルは酸化すると以下のような劣化症状が現れます。
・粘度の低下
・潤滑性の損失
→ 油膜強度の低下
→ 保護性能の低下
このように、オイルの性能を維持するためにはいかに酸化を防止するかが大事なのです。
ではその手段ですが、これを説明するには従来型のアプローチから説明する必要があります。
*
基本的にどんなエンジンオイルにも酸化防止剤としてジアルキルジチオりん酸亜鉛(以下ZnDTP)が使われています。
ZnDTPは酸化防止にとても効果があり、その他にも摩擦防止や極圧性も兼ね備えている非常に万能な添加剤です。
しかしZnDTPは酸性化物質を中和する際にその身を犠牲にして共倒れし、その後死骸のような物がスラッジとなって残り、結果オイルを汚します。(図3)
このように短期的には非常に有用ですが、時間を経るごとにデメリットが目立つようになってきますので、短期的なオイル交換が必要な理由もこの添加剤が一因です。
このことから、極力長寿命なオイルを目指すVeriorにとっては不向きなため、ZnDTPは採用しませんでした。
従来の常識だったZnDTPには依存せず、その代わりに高性能な無灰型の酸化防止剤を採用しています。
- - - - - - - - - - - - -
KingIndustries社 AOシリーズ
・AO-142(アルキルブチルジフェニルアミン)…0.5%
・AO-242(ヒンダードフェノールプロピロン酸エステル)…0.5%
計 1.0 vol%
なぜ2種類ブレンドしているかと言うと、アミン系とフェノール系は混ぜて使うと相乗効果が発揮されるからです。(図3-2)
加えてアルキルナフタレンとの相乗効果も認められています。
図3 作動油における、Zn系添加剤による汚染

作動油におけるテストですが、亜鉛(Zn)系酸化防止剤を入れたオイルは時間経過とともに指数関数的に汚染が進むのが分かります。(つまりスラッジが溜まる)
一方で亜鉛を使わない無灰型添加剤の方は汚染度が変わらず、いつまでも綺麗なままです。
図3-2 無灰型酸化防止剤 アミン系とフェノール系の相乗効果

アミン系を0.5%だけ入れるより、もしくはフェノール系を0.5%だけ入れるより、それぞれを半量0.25%ずつ混ぜて入れた方が酸化防止性能が倍増しています。
添加剤の世界にはこのような不思議な相乗効果を持った組み合わせがあります。

04 清浄分 散剤&防錆剤
◆ 清浄分散・防錆剤 CA-50
エンジンオイルは燃焼ガスに曝された時、酸化反応によってスラッジが形成されます。
その生成スラッジを金属面(特にピストンリング周り)に残さないよう、汚れを分解する成分として清浄分散剤が必ず添加されています。
従来から清浄添加剤としてカルシウム型のスルフォネートが多く使われてきましたが、近年ではLSPIの原因物質であるとして忌避される傾向にあります。
しかしカルシウムにはカルシウムの利点があり、特に水分に対して強く、加水分解安定性や抗乳化性に関しては他よりも優位な点です。
(例えばシャシーグリースなんかもカルシウム系です)
この点は、エンジンが温まりづらいハイブリッド車や、ちょい乗り時でも低温スラッジを形成しづらく、また加水分解によるオイルの性能劣化を防ぐことに繋がります。
なお、LSPIに対する問題はカルシウムの含有量と酸化熱にあるため、より少ない添加量にしてかつ酸化防止性能を高めれば、この問題はクリアできると考えています。
- - - - - - - - - - - - -
Veriorで採用している清浄,分散,防錆剤は、KingIndustries社の過塩基性カルシウムスルフォネートのCA-50です。
・CA-50 ... 2.0%
CA-50 は湿気の多い条件下でも優れた難分解性をもち、シビアな防錆を要求される軍用車両にも採用されるほど信頼性の高い高性能なスルフォネートです。
図4 スルフォネートの働き

このまるで精子みたいな形をしているのがスルフォネート。
生成されたスラッジやすすを剥離し、浮遊したその汚れ分を囲い込んで分解・分散させるのが主な役割です。
清浄分散剤に使用される錯体のうち、カルシウム型は水に強く、低温スラッジに対して特に有効に働ます。











